Match maker
違う、逆に問題は性格だけ?

待ち合わせには、今日も彼が早かった。

「お待たせしました。」

「いえ、どうぞ。」

そう言って椅子を引いてくれる。

「今日はどうされますか?」

「今日は最初から・・・居てもらいます。」

「分かりました。」

実雅さんはそう言って0をそのまま端に置いた。

【おう!ありがとう。結構いいスパンやけど、自分ら。】

「今日で最後にして頂きたくて。」

【ちょ、早いな。席着くなり。】

「顔は気に入って貰えてる。つまり、データでは分からない部分・・それ故に断るという認識ですよね。」

【性格や。】

0が、彼より分かりやすくそう言った。

彼が俯く。

これ、結構…酷いな…私。

でもきっと、この人にははっきり言わないと分からない。

「これが、単純に自由恋愛の始まりならこれからお互いに良い着地点を見つけて行けばいいのだと、思います。…だけど実雅さんの言うとおり…私には後がない。だから、もう…」

「成婚まで、期間は設けられてるのか?」

実雅さんが、0にそう聞いた

【いーや、二人に任せる】

「成婚までは、清い関係で?」

【いーや、二人に任せる】

「なるほど。」

なるほど?

「これが、自由恋愛ならとおっしゃいましたよね?」

「…はい。」

まずい、嫌な予感。

「では、そうしましょう。」

あれ?私…頭悪いのかな?

全く分からない。

「後がないんです。自由恋愛でも上手く行かない事、多いですよね?あなたはお若いから…」

「自由恋愛ならとおっしゃいました。」

【あー、うん。「これが、単純に自由恋愛の始まりならこれからお互いに良い着地点を見つけて行けばいいのだと、思います。…だけど実雅さんの言うとおり…私には後がない。だから、もう…」5分38秒前。】

私の会話を記憶し、0は私の声でリピートした。

「お互い、良い着地点を見つけて行きましょう。」

「それって、今までとどう違うのですか?」

「僕が聞きたいくらいです。でも、あなたはおっしゃった。何が違いますか?それで、僕が引くとでも?」

そう言って彼はにっこり笑った

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