Match maker
「しょーもない男やわ、そーゆーの。イケメンの無駄遣いやわ。いや、むしろイケメンやから余計にややこしなったんやわ。」

誰のせいで“イケメン”になったのか。

そして、誰のせいで頭脳明晰になったのか。

そして、誰のせいでこんな…

恐らくその元凶であろう母親が、この地域の言葉ではない訛りでそう言った。

「頭脳の遺伝は母親からと言われてる。」

「その通りやわ、お母さん、(かしこ)やもん。あんた、おもんないねん。」

「面白さなんて、求めていない。」

「アホか、その返しがまたおもんないねん。人生はユーモアで作れ!関西行ったら人気ないで。」

「ここでは需要がある。」

「ふっ、アホやな。」

「僕のIQでアホなら…」

「今はいい。大人なったら、絶対モテへん。」

母親は腰に当てた手と反対の手を、ビシッと僕に向けた。

僕の父親は…こんな人のどこが良かったのかと思う。

20歳の誕生日を目前に、母親は言った。

「手に負えへんから、申し込んどいた。SS」

「何?」

「specialsupport。20歳なったら、支給される0の特別支援。つまり、あんた、難があるから。SSバージョンの0が支給される。」

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