Match maker
第10話
始めの…第一歩
珍しく黙ったままの0に
私が説明した。
「正当な意味などないのかもしれないけど…気持ち的にというか…気持ちを伝えたり、確認したり…まぁ、そんな…なんて説明したらいいか分からないけど…いいもんです。」
…我ながら…何だろう下手過ぎる。
「なるほど。」
そう言って、彼は私の手に触れた。
そして、直ぐに離される。
早っ。繋いでない。触れただけ。
まぁ、私の脈拍は上がったけども。
それを0に突っ込まれずに済んでホッとした。
「なるほど。」
彼は、私の手に触れた自分の手をじっと見つめると
もう一度そう言った。
そして、今度は触れるだけでなく、私の手を…繋いだ。
親子のように。
私は、それを少し崩して、彼の指に自分の指を絡めた。
伝わるお互いの温度に恥ずかしいのに
離したくない。
何だか胸がこそばい。
風に揺らされる木々の音と、時々聞こえる川のせせらぎ。
暫くの沈黙後
彼が言った。
「僕の手から、情報が…そっちへ行きそうだ。」
…
「…そんな、USBケーブル的なアレではないです。」
「ふっ、そっか。僕の気持ちがあなたに流れ込んだらいいのに。」
「…え?」
「どれだけ流れてもいいくらい、増え続けている。」
じっと目を見て、そう言われる。
こっちの手からも…今の情報がそっちへ行きそうで…
「…えっと…」
目を逸らす。
な、何て返していいか分からなくて俯いた。
「なるほど、いいもんだね。」
そう言って、彼は手を離す。
離された私の左手が、まだ足りないとでもいうように
居場所を無くす。
まるで…
それは…
顔を上げ、彼の顔を見つめた。
私だけだろうか、足りないと、そう思ったのは。
私が説明した。
「正当な意味などないのかもしれないけど…気持ち的にというか…気持ちを伝えたり、確認したり…まぁ、そんな…なんて説明したらいいか分からないけど…いいもんです。」
…我ながら…何だろう下手過ぎる。
「なるほど。」
そう言って、彼は私の手に触れた。
そして、直ぐに離される。
早っ。繋いでない。触れただけ。
まぁ、私の脈拍は上がったけども。
それを0に突っ込まれずに済んでホッとした。
「なるほど。」
彼は、私の手に触れた自分の手をじっと見つめると
もう一度そう言った。
そして、今度は触れるだけでなく、私の手を…繋いだ。
親子のように。
私は、それを少し崩して、彼の指に自分の指を絡めた。
伝わるお互いの温度に恥ずかしいのに
離したくない。
何だか胸がこそばい。
風に揺らされる木々の音と、時々聞こえる川のせせらぎ。
暫くの沈黙後
彼が言った。
「僕の手から、情報が…そっちへ行きそうだ。」
…
「…そんな、USBケーブル的なアレではないです。」
「ふっ、そっか。僕の気持ちがあなたに流れ込んだらいいのに。」
「…え?」
「どれだけ流れてもいいくらい、増え続けている。」
じっと目を見て、そう言われる。
こっちの手からも…今の情報がそっちへ行きそうで…
「…えっと…」
目を逸らす。
な、何て返していいか分からなくて俯いた。
「なるほど、いいもんだね。」
そう言って、彼は手を離す。
離された私の左手が、まだ足りないとでもいうように
居場所を無くす。
まるで…
それは…
顔を上げ、彼の顔を見つめた。
私だけだろうか、足りないと、そう思ったのは。