好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
6 妬いてます
side真紅
「今日はごめんな? せっかく紅亜様が作ってくれた時間なのに……」
手が重なった影の夕焼け。黎は申し訳なさそうに言って来た。
隣を見上げる。
「全然。黎のご家族にお逢いできて嬉しかったよ」
いきなりなこととはいえ、彼氏の家族に交際を認めてもらえたんだ。
嬉しくないはずがない。
「架くんのことも……安心していいよね?」
うん、と黎は肯いた。
「大丈夫だ。誠さんも弥生さんも、総て承知で架を後継に据えたんだ。これからの桜城を率いるは架で問題ない」
私は返事の代わりに、繋いだ手に力をこめた。