好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
「―――、⁉」
そのまま、黎の唇にぶつかった。いや――ぶつかった?
「!!!!!!!」
驚いた私が泡喰ってただ手を振っていると、黎はくすりと笑った。
「俺もね、すきだよ」
「!!!! ――――――」
耳元に囁かれて、キャパオーバーで固まってしまった。
「真紅のこと、すきだよ」
「………」
突然の展開にぽけーっとしてしまった私の唇に、今度は黎の方から触れて来た。
「……っ!」
「……この前は、いきなりしてごめん。なんかなー、もっと近づきたくて」
「………」
若干魂が抜かれた私は、ただコクコクと肯いた。
「真紅の彼氏、名乗っていい?」
問われて、徐々に魂が回収されていく。
「えっ、あの、れ、黎以外に名乗ってもらう人なんていないんだけど……」
「うん」
今度は頬を捉えられ、口づけられた。