好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
「れ、れいっ?」
いきなりな行動にばかり出られて、戸惑うしかない。嬉しがるしかない。
「また明日、逢いに来るから」
「あ、ありがとう……」
「じゃあな」
「う、うん。――あの、でも無理はしな――むっ!」
最後まで言わせずに、黎が唇を塞いできた。
「そういうこと、言わない」
何回目のキスだろう。
何故か機嫌のいい黎に面喰いつつ、そろそろ自分がいる場所を思いだして来た。
「俺が逢いたくて来てるんだ。それは否定しないでくれ」
「う、うん――ごめん」
「ありがとう、のが嬉しいかな」
「あ、ありがとう……」
要望通りに言うと、黎は目を細めて微笑んだ。
でも、私の中では何か足りない。
言わなくちゃ。
「私も、黎に逢えるの、嬉しい」