好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
「………真紅」
「はい?」
「……いや、なんでもない。取りあえず、今日は帰る。桜城の家からこちらへの接触はないから、そこは安心していい」
「うん。わかった」
「じゃあな。ちゃんと寝ろよ?」
「黎もね」
軽く手を振って、黎を見送った。周囲に民家の少ない土地柄で、今は通行人もいない。
……人がいたら、私明日から外に出られない……。
幸い、黎を見送りに出たとき、紅緒様のことはママが抑えて家の中に留めてくれているので、そこは心配しなくてよかった。
「なんか……色々あったなあ……」
朝からママに嵌められて、黎とデートすることになって、架くんの母親に見つけられて……。