好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
「白桜って猫、好きだったのね」
「あ、百合姫は知らないか?」
張り切って俺を引っ張る白を見て、ぽつりとした言葉に俺が反応した。
「あんたは知ってるってわけね……。でも、なら飼ってもいいのに」
「それがなー無理なんだよなー」
白に引きずられているから、なんとなく俺の声はやけに間延びしている。
「なんで?」
「すぐわかるよ」
意味ありげな返事をしたけど、母上たちの家に足を踏み入れた途端、百合姫もそれに気づいたようだ。