好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】

「そうだね。白ちゃん、名前つけてもらえないかな?」

「!」

ぴんっと、白ちゃんの背筋が伸びた。

「い、いいのか?」

「白ちゃん、猫すきなんでしょ?」

「可愛いっ!」

どんな肯定の仕方だ。

いつもの冷静さをなくすくらいすきなようで、思わず苦笑がもれた。

「えっとね、本当に綺麗に真っ白な仔と真っ黒な仔なんだけど――

「藤虎(ふじとら)」

「小太郎(こたろう)」

「……ん?」

私の言葉が終わる前に、二人分の声が続けて聞こえた。

< 172 / 314 >

この作品をシェア

pagetop