好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】

「えっ、でも白ちゃんって――」

「たぶん、仔猫の方は大丈夫ですよ。黒藤、涙雨は帰ってきていますね?」

「……お見通し過ぎて怖いですよ、母上」

黒ちゃんはため息をつきつつ、左掌を差し出した。

紫色の小鳥がぽんっと現れた。

『紅緒嬢よ、涙雨に尾行をつけるのはおやめくだされ』

「わたくしの式は別に探しに出しただけです。たまたま行き先が同じだっただけでしょう」

紫色の小鳥が文句をつけるけど、紅緒様はどこ吹く風で気にしない。

『真紅嬢よ、その三毛猫の仔は、若君と白の姫君に任された方がよろしいかと涙雨も思う。神獣(しんじゅう)の末裔(まつえい)の三毛猫ゆえ』

「しんじゅう……?」

私が呟くと、黒ちゃんが応じた。

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