好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
「じゃあ……ママ、紅緒様、仔猫たちはもう少し育ったら、黒ちゃんと白ちゃんに預けていいかな? お母さん猫の方は、元気になるまでは私が面倒を見たい」
ママと紅緒様は目を合わせてから、肯いた。
「いいわよ。今まで動物を飼う余裕なんてなかったものね」
「生命に触れるのはよいことです。ですが、白桜が来づらくは――
「毎日来ますっ! 門の外から眺めるだけでも構いません!」
白ちゃんが宣言すると、百合緋ちゃんの顔色が一瞬悪くなった。そしてぼそり。
「白桜が残念な変態なこと言った……」
否定出来ない……。
さっきは黒ちゃんに否定してよと思ったけど、いざ自分が巻き込まれればなかなか難しかった。
「黒ちゃんも来る?」
百合緋ちゃんを慰めようもないので、話をすり替えることにした。
「そうだなー。仔猫って一日でおっきくなっちゃうもんな。時間見て来るよ」
なんだかさっきから、白ちゃんよりも黒ちゃんの方がまともなことを言っているように聞こえるのはなんでだろう。
いつも一番ぶっ飛んでる人なのに。
「黎たちは知ってるのか?」