好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】

「うちさ、水旧家の本家で、わたしの父親が当主なの。お母様が正妻なんだけど、父は外に愛人が何人もいるの。お母様は、そういうことが珍しくない家柄だって割り切ってるみたいなんだけど……。なんてゆうか、結婚不信? みたいな感じでさ、わたし」

「………」

結婚不信、と言う言葉なら、それは自分も当てはまるかもしれないと思った。

……少し前の、私なら。

百合緋ちゃんは膝を抱える。

「私が一番上の子なんだけど生まれてすぐに御門の家に行ってるから、弟妹たちとはほとんど面識ないの。……もしかしたら、わたしの知らないきょうだいもいるかもしれないけど」

「……お父さんと、仲良くないんだ?」

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