好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】

「仲良くないっていうか、早く死んでほしいレベルに嫌い。そうなったら、父の弟の東雲(しののめ)叔父様が跡を継がれる。

叔父様は結婚してるけど子どもがいないから、わたしの弟の誰かが叔父様の跡継ぎになると思う。

叔父様は父と違って、奥様のことだけを本当に愛していらっしゃる。……お母様も、叔父様みたいな人と結婚してたらあんな気苦労もなかったと思う……」

うちも父のことでは大変だったけど、私もママも、もうそのことに囚われてはいない。

……百合緋ちゃんは違う。

そのただ中から抜け出すのは容易ではないのだろう。

「そうなんだ」

「うん。だから……白桜が、羨ましい」

そっと、百合緋ちゃんは縁側の外の白ちゃんと、白ちゃんに向かって話している黒ちゃんを見た。

……黒ちゃんは、白ちゃんだけが大すきだ。

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