好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】

「えっ、それって、付き合ってるように見えるとか、そういう意味?」

「そういう意味よ」

「困るっ。私は黎だけだからっ」

「うん、そうみたいね。だから、十字架の弟と仲いい理由、考えておいた方がいいわよ?」

「な、なんで?」

「そろそろ、女子の中でも十字架の弟を気にしてる子たちが動く頃よ。転校してきた時期が一緒で、ほかの時間も一緒にいるってなれば、『彼氏の弟だから』だけじゃ通じなくなるわよ? 少なくとも、どちらかは好意があると思われるわ。十字架の弟は真紅ちゃんを主家の主として見てるから、護衛の意味でしょうけど……そんなの、学校では通用しないでしょ?」

「………」

またかー、と項垂れた。

前の学校でも、架くんと仲がいいとシメられたというのに。

その折は、架くんの兄の黎と付き合っているから、で乗り切れたけど……。

「どうして女の子ってそういう感じになるんだろうね……」

「遠い目をするのはまだ早いわよー?」

おーい、と百合緋ちゃんが呼びかける。

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