好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
「それで真紅ちゃん、お母さん猫はどうするの?」
「あ、うん、この仔は――」
私に向かって顔を差し出して来た猫。
たぶんこの仔は……
「……最期まで、私が看たいと思ってる」
何を証拠に、と言われたら、カン、としか答えようがない。
でもこの三毛猫は、私を頼って来た気がする。
私に辿り着くために、ここまで頑張って来た。
……そのカンは当たった。
まだ仔猫もコロコロすることも出来ない、目も開かない三日後の夜明け前、母猫は静かに呼吸を止めた。