好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
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自室で目を覚ますと、ふっと枕元に手をやった。

そこに、摑むべき何かがあった気がする……

「ん?」

もふもふする。

「なんか置いたっけ……?」

寝ぼけまなこだった私は、もう片方の手で目をこすって、寝返りを打った。

今度はうつ伏せの格好で、枕元――未だにもふもふを触っている手の方を見た。

えーと、るうちゃんはこんな手触りじゃなかったはず……―――

三毛猫がいた。

《お起きですか? 巫女様》

「………」

もう一回寝るか。

そう決めて手を引っ込めようとすると、今度はふにふにした感触が私の手に触れてそこへ留めた。

《巫女様は寝起きがお悪いようですね。この紅(べに)、いっそ巫女様とお布団にくるまりたいところですが、巫女様、今日も学び舎(や)へ行かれませんと》

「………」

猫に叱られた。そして私の手を押さえたのは肉球だった。

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