好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
そっと抱き上げると、紅姫は慌てたように足をばたつかせた。
すぐに懐へ抱き込む。
「紅が来てくれた上にお話出来るなんて夢みたいっ。紅、守護霊って言ったけど、誰かの守護霊になったの?」
《守護霊はあくまで建前です。紅、巫女様の式になりとうございます》
「式?」
《巫女様、まだ式をお持ちでないのですよね? 紅は化け猫と呼ばれることもある、変化の妖異です。この姿、いかようにも変えること出来ます。徒人(ただびと)の目に触れることも出来ますゆえ》
「そうなのっ? えーと……」
そんなことを言われて、見てみたい姿は一人しかない。
「黎になることもできる?」
《小埜黎様――。巫女様の恋人様ですよね。出来ますよ。では――変化・小埜、黎》
ポンッ、と紅姫の身体が刹那煙に包まれた。
次の瞬間そこにいたのは――
「か……可愛い~~~~っ。小さい黎だ~~~~っ」