好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
私は思わずむぎゅうっと抱きしめていた。
紅姫本体よりは一回りは大きくなったものの、変化した大きさは子どものものだった。
「真紅ちゃん? もう起きて――」
襖を開けママが、布団の上で正座して小さな子どもを抱きしめている私を見て固まった。
「ま――ママっ! 見て見て! 紅が来てくれたの! しかも変化出来るんだって! 今黎になってもらったんだけど、可愛くないっ⁉ 黎のちっちゃな頃ってこんな感じだったのかなっ?」
興奮している私は、ママが見鬼ではないとか紅がなんだか知らないとか、そういう配慮が一切抜け落ちていた。
「姉様? 真紅、何を騒いでいるのです」
ママの後ろから、紅緒様も顔をのぞかせた。
私が抱いているものを見て、目を細めた。
そして、すんっと紅の額に刀の切っ先を当てた。