好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】

大学の関係で毎日逢っていたのが逢えなくなると知ったら、梨実の許から真紅のことをさらってしまうし。

無理矢理にでも真紅に逢う時間を作りたかった。

少しの間逢えなくなると告げて真紅がすぐに肯けば、確かに胸を衝く痛みがあって。

誰かを想うということの意味を、真紅の隣で知って行く。

幸せだけではない。でも、真紅でないと無理だ。

辛いからと言って、離れるなんて出来ない。辛いことも、真紅とがいい。

……元から、結ばれない運命だったんだ。

だから、全ての人ではないけど、認めてくれる人がいる現実が、ただありがたい。

愛してる。

「――黎?」

ふっと物思いに沈んでいたら、澪が呼びかけられた。

今、頭を埋め尽くすほどだった言葉に赤面してしまう。

「……大丈夫か? お前」

落ち込んでいるはずの澪に心配された。

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