好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
一度首を横に振った。
「なんでもない。梨実の話だろう?」
「どうすればいいと思う?」
……澪は本気で相談モードのようだ。
知るかと返してもいいけど、それでは確かに薄情者だ。
何より梨実は、真紅が『理由』になるほど大事にしている友達。
勝手にしろなんて言える相手ではない。
「フラれたって、言うようには俺には聞こえないんだが」
「……そうか?」
澪は眉を寄せる。
「からかうな、って怒られたんだろ? 母親の目の前だったからとか、お前が本気で言ってるって取ってもらえなかったんじゃないのか?」
「………」
澪はその場面でも思い出すように、中空を見つめた。