好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
「――――」
ただ事実を告げただけなのに、恨めしい顔で睨まれた。
「……明日は無理かもしれないけど、時間、作る」
「そうだな」
澪が本気なら、そのくらいは出来るはずだ。
俺だって、小埜病院にいられない期間中、ずっと真紅と離れているつもりなんてない。
逢うための時間なんて作らなくちゃ、沸いてくるものでもない。
「ま、がんばれ」
このくらいでいいだろうと、もたれていた背を離した。
「……黎に応援されるなんて気味悪いな」
「その言葉そっくり返す」
澪との関係性の名前は、俺には不明だ。ただの腐れ縁としか言えない。
放っておきたいのに、つい口出し手出ししてしまう、腐れ縁。