好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
「黎ならたぶん、自分の部屋だと――
「澪さん、海雨に交際申し込んだって本当ですか?」
問うと、澪さんは瞬時に顔を紅くさせた。
「お、お嬢さん、それ誰から――
「駄目です」
「え……なんでお嬢さんにそんなこと――」
「絶対、ダメです。――海雨は私のお姫様だから、澪さんにはあげられません! 海雨は影小路と関係のない人じゃないと認めません! だから諦めてください!」
言うだけ言って、私は引き返した。
廊下でかち合った古人さんに「いきなりすみません」とだけ詫びて、小埜家を出た。