好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
「なんで?」
「……黎、だけじゃない。誰にも、話せないことなの。紅緒様にも、黒ちゃんにも白ちゃんにも」
「……その面子(めんつ)ってことは、家の関係なのか?」
「――ごめん。これ以上は言えない」
「真紅の仕事のことなら踏み込みはしない。余所者が踏み入っていけないことは承知しているつもりだ。けど、
「これ以上は言わせないで!」
俺の言葉を遮って真紅が怒鳴った。さすがにそれには納得いかない。
「言わせるつもりじゃない! 言いたくないことなら言わなくていい!」
「ならなんで探るみたいなこと言うの⁉ 私しか知らないでいいことなんだよ!」