好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
《巫女様……旦那様なら、受け止めて下さいます》
「うん。わかってる。でも、ここで頼ってはダメなんだ」
私は、生きることを決めた。
影小路の一人として。
紅が、頬ずりをしてきた。
《せめて紅のもふもふ効果で癒されてくださいまし》
必死に私を慰めようとする小さな妖異の優しさに、今度は唇噛んで涙をこらえた。
ぎゅっと、紅を抱きしめる。
――本当は、傍にいてほしい。