好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】

《巫女様。今日も海雨様のところへ参りましょう。海雨様から、お話を聞いた方がよいと思います》

昨日、海雨の様子が変だった理由。

原因が澪さんのことだろうとはわかるけど、詳しく何があったのかは知らない。

海雨は頭の整理がついたら話すようなことを言っていたけど、今日逢いに行ったら話せる状態には回復しているだろうか。

「………」

昨日私は澪さんに、海雨はあげないと言い切った。

その理由は、私は誰にも話したことがない。

始祖の転生だけが知っている、『始祖の転生がいる理由』。

カバンを摑む手に力が入る。

――始祖の転生とは、いわば監督者だ。

これ以上、影小路が罪を重ねないための。

「真紅ちゃん」

< 267 / 314 >

この作品をシェア

pagetop