好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】

「―――――っ、はあっ」

「真紅、大丈夫か?」

膝を折った私を、黎が支えてくれる。

黎の手を借りてパイプ椅子に座りなおし、しっかりと黎に肯いた。

「うん、ちょっと疲れたけど、大丈夫。ありがとう、ずっと傍にいてくれて」

「当然」

ぽん、と私の頭に、黎の手が乗った。

……そのあたたかさが胸にしみた。

「黒ちゃん」

「ん? こっちは終わってるぞー。ってか、全部叩き出してから戻るまでに随分時間かかったな?」

手に浮かせていた符(ふ)を消した黒ちゃんが、私の方へ回り込んでくる。

「うん、ちょっと黒ちゃんには報告することが出来た。これは、さっき私が話したこと同様、他言無用でお願いしたいことなんだけど」

「わかった」

「海雨の意識が戻ってから……話す」

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