好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
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「先生にもお母さんたちにも、驚かれちゃったよ」

「あー、急に病状よくなったから?」

いつものように、病室のベッドに、窓の方を向いて並んで腰かけている。

――海雨が緊急手術に入った日から一週間。

起き上がれるほどまで回復していた。

まだ病室の外へは出られないけど、室内だったら歩き回ることも出来る。

「一応、手術が成功したから、ってことになってるけど。……本当は、わたしを蝕(むしば)んでいたものがいなくなったから、なんて言えないし」

「言えないね」

苦笑をもらすしかない私。

私は、今まで通り『海雨』と呼ぶ。海雨も『真紅』と呼ぶ。

二人の関係は、少しも変わっていなかった。

「学校に戻る目途(めど)も立ちそうだよ。ありがとうね、真紅」

「半分は黒ちゃんが引き受けてくれたから、お礼は黒ちゃんにも言ってね」

「うん」

黒ちゃん――影小路の、正統なる後継者。

「ねえ真紅。黒藤さんって……わたしのこと、知ったんだよね?」

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