好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
「うん……。私が打ち明ける前から、黒ちゃんは海雨が誰だか知ってたみたいだった。黒ちゃんに隠し事が出来るほどでは、まだ私はないから」
海雨が私に打ち明けたことも、黒ちゃんには伝えた。
私一人では助けられなかった。黒ちゃんが手を貸してくれた恩もある。
「そっか……」
「黒ちゃんには、一族にも流派にも他言無用でって言って置いた。約束は護ってくれる人だと思う」
「うん。わたしもそう思う。……けど」
「? けど?」
「……今まで見て来た小路の子で、一番の問題児だよ、黒藤さん……」
「………否定出来ない」
海雨は、始祖当主の記憶を隠そうとはしなかった。
自分から進んで話すこともないけど、隠し立てもしない。
「あ、あとさ、私のとこに紅姫を送ってくれたの、海雨でしょ?」