好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
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side真紅
「真紅」
「うん?」
黎が隣を歩くうちへの帰り道、名前を呼ばれて黎を見上げた。
「……よかったな」
「……うん」
海雨は、澪さんの告白を受け容れはしなかった。
けれど、拒絶もしなかった。
海雨の時間が暮無様を置いて、少しずつ動き始めている気がする。
私たち、一度ずつ終わりがある始祖の転生と違って、始祖当主には終わりがなかった。
この先、暮無様の命がどうなるかはまだわからない。
このまま転生の檻にあるか、その檻を外れて生まれ変わることもなくなるか――。
私たちが、まだ転生を繰り返しているように。
私から黎の手を握ると、驚いたように見て来た。
「……この先、私たちや暮無様の命がどうなるかはわからない」