好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
3 企み

side真紅


「真紅ちゃん。今度の日曜日は空けておいてね」

斎陵学園からの帰りに海雨のところへ寄って来ると、ママにそう言われて面喰った。

「え、でも日曜日はいつも紅緒様が……」

部活はしていない私は丸一日休みなので、紅緒様に教えてもらっている。

代わりに、土曜日は必ず海雨のところへ行けるようにしてもらってもいる。

「紅緒には言ってあるわ。一緒に住むようになってから、三人でお出かけとかしたことないでしょう? 三人でお出かけしましょうって言ったら、紅緒すぐに肯いてくれたわ」

「………」

だろうね。紅緒様のママ大すきはシスコンだからね。

口には出さないけど、心の中で大きく肯いていた。

「紅緒とは初めてのお出かけだから、ちょっとおしゃれして行きましょうね」

ママは、やっぱり柔らかい笑みでにっこりと言った。

< 39 / 314 >

この作品をシェア

pagetop