好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
「うん。黒ちゃんが、傍に置いてくれてる。私がまだまだだから」
私の肩口にいる紫色の小鳥は、全く重さを感じさせないので、るうちゃんと会話しないでいるとつい忘れそうになってしまうほど近しい存在になっている。
お店や学校なんかでは、るうちゃんは私から離れて見守っていてくれる。
今も、るうちゃんは一度離れて、テラスに出ると戻って来た。
「ふーん。……」
「あの、黎? るうちゃんに喧嘩ふっかけないでね? この前るうちゃん怯えて大変だったから……」
夜道で偶然居合わせたるうちゃんを、黎はシメあげた過去がある。
「黒藤の式ってだけでなんか腹立つんだよなあ……」
黎がまた物騒なことを言えば、それまで微動だにしなかったるうちゃんが大きく身を跳ねさせた。
「黎……。黒ちゃんと仲悪いの? さっきは知らないみたいに言ってたけど」