好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】

「わ、私でよかったら」

答えると、黎の表情から緊張が少しだけ消えた。

「真紅以外に頼むつもりはないよ」

「そ、そっか……。では、よろしくお願いします。私も、黎のご家族に逢ってみたい」

「うん。……うちのはすっごく疲れると思うけど、俺も、紅亜様たちとは仲良くしていけたらと思ってる。―――」

ふと、開きかけた口をつぐんだ黎。私はほこほこした気持ちで言う。

「うん。黎がママと話してるのとか見ると、嬉しいんだ。紅緒様はまだ難しいかもだけど……いつかは、ね。私もがんばるから」

黎が毎日逢いに来てくれる。その行動の理由を、ママは真っ直ぐに受け取ってくれていると思う。

「……どこに行くってあてもないけど、少し歩いてみるか? 鳥が落ち着きなさそうだ」

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