好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
並んで歩くと、最初の日を思い出す。
いつの間にかすきになっていた、月の下を歩いたあの日。
「……黎に、お願いがあるんだ」
「うん?」
「……ママにも、紅緒様にも、黒ちゃんにも……白ちゃんにも、言ってないことなんだけど……」
「うん」
「……たぶん、黒ちゃんは気づいてて、あえて口にしてないんだと思う」
「黒藤が?」
「……私、何回も、死んだ記憶もあるの」