好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
「やよい? どうしたの」
弥生さんに応じて出て来たのは、銀髪に銀色の瞳の小柄な女性だった。
女性と言うか、少女と言える見た目だけど、その特徴から一目で黎のお母さんだとわかる。
少し長めの髪はゆるくウェーブがかかっていて、どこぞの貴人の趣(おもむき)だ。
「美愛! 黎の彼女よ! 見つけちゃったから連れて来ちゃった!」
興奮気味の弥生さんの言葉を聞いて、美愛さんは六回、瞬いた。そして、
「えーっ! レイの彼女? あ、レイ!」
弥生さんの後ろにいた私たちを勢いよく見て来た美愛さん。
一目散に私の前にやってきた。
「あなたが? 可愛い女の子ね」
美愛さんは可愛らしい笑顔で言ってくれる。
いやいや、可愛いのは美愛さんだ。