好きになった子は陰陽師になった。-さくらの血契2-【一人称修正ver.】【完】
『影小路が始祖の転生』と、その存在を括られるにはそれなりの理由がある。
私はそれを、記憶の中で確認している。
始祖と呼ばれる者たちは、禁忌を犯した者たちだ。
陰陽師として、人間として……。
「マコ、何が問題なの? 私はそういった話はわからないから、話してることが全然わからないわ」
「あ、はい――
「それがな、美愛――
美愛さんに『マコ』と呼ばれ、私と誠さん、両方が美愛さんの方を見た。
ぷっと吹いたのは黎だった。
「えっ? なんで笑うの?」
私が当惑顔をすれば、黎は少しだけ肩を揺らした。