エリート外科医といいなり婚前同居
「初仕事、お願いしていい?」
【まことに残念ながら、今回は採用を見送らせていただくことになりました】
これが最後の望みと手に汗握りながら開いたメールは、いつも通りの無慈悲な内容だった。自室でパソコンに向かっていた私は、机に肘をついて頭を抱える。
「あーもー……落ち込む……」
求人先からの不採用通知を受け取るのには慣れっこだけど、今回は特にショックだった。
私の目指していたのは、病院の医療事務職員。
資格はちゃんと持っているけれど、実務経験者の方が優遇されるらしく、面接までこぎつけたのは今回が初めてだったのだ。
このチャンスを逃してなるものかと満を持して臨んだ面接当日、特に大きな失敗はなく、むしろ面接官たちの反応もよかったような気がしていた。なのに……。
「私のような人材は、ベストを尽くしたところで必要とされないってことか……」
あまりの絶望感に、ネガティブすぎるセリフが思わずこぼれる。
私がこうして挫折するのは初めてではない。大学受験の時には医学部を目指していたが、現役ではまず難しく、その後二年間の浪人生活を経ても叶わなかった。
失意のまま適当な理系大学に進路を進めたものの、そこでの成績も決してよいとはいえず、就職活動も難航し……現在、四年生の十一月、下旬。
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