エリート外科医といいなり婚前同居

「じゃあ、私も同じものでいいです。こないだ橋本さんにすすめられたワインで酔い潰れたばっかりで、ちょっと心配だし……」

「遠慮するなよ。今夜はクリスマスだし、少しくらい酔っても許すよ?」

「ええ……? どうしよう」

せっかくのパーティーだしちょっぴり飲みたい気持ちもあるので、そう言われると悩んでしまう。

他の人たちは何を飲んでいるんだろう。そう思いながら他のゲストが手にしているグラスを見ると、ビールやシャンパン、可愛らしいカクテルまで、その中身はさまざまだった。

「……度数の弱いものとか、リクエストできますかね?」

「ああ、できるんじゃないかな。聞いてみよう」

バーカウンターで給仕係の男性に頼んでみると、背の高いタンブラーに氷とクリーム色のお酒が満たされた、〝スノウボール〟というクリスマスにぴったりな名前のカクテルを作ってくれた。

お酒に弱い人でもおすすめの、アルコール度数弱めのカクテルなんだそうだ。

ついでに礼央さんも、男性でも飲みやすい甘さ控えめのノンアルコールカクテルを作ってもらっていた。

「美味しい! 甘くてまろやかで飲みやすいです」

「よかった。千波には窮屈なパーティーかと思ってたけど、そうやって楽しんでる顔見るとホッとするよ」



< 132 / 233 >

この作品をシェア

pagetop