エリート外科医といいなり婚前同居
「じゃあ、私も同じものでいいです。こないだ橋本さんにすすめられたワインで酔い潰れたばっかりで、ちょっと心配だし……」
「遠慮するなよ。今夜はクリスマスだし、少しくらい酔っても許すよ?」
「ええ……? どうしよう」
せっかくのパーティーだしちょっぴり飲みたい気持ちもあるので、そう言われると悩んでしまう。
他の人たちは何を飲んでいるんだろう。そう思いながら他のゲストが手にしているグラスを見ると、ビールやシャンパン、可愛らしいカクテルまで、その中身はさまざまだった。
「……度数の弱いものとか、リクエストできますかね?」
「ああ、できるんじゃないかな。聞いてみよう」
バーカウンターで給仕係の男性に頼んでみると、背の高いタンブラーに氷とクリーム色のお酒が満たされた、〝スノウボール〟というクリスマスにぴったりな名前のカクテルを作ってくれた。
お酒に弱い人でもおすすめの、アルコール度数弱めのカクテルなんだそうだ。
ついでに礼央さんも、男性でも飲みやすい甘さ控えめのノンアルコールカクテルを作ってもらっていた。
「美味しい! 甘くてまろやかで飲みやすいです」
「よかった。千波には窮屈なパーティーかと思ってたけど、そうやって楽しんでる顔見るとホッとするよ」