エリート外科医といいなり婚前同居
「はい。行きましょう」
気を取り直して返事をすると、先に車を降りた礼央さんが、助手席のドアを開けてくれた。それから優しく手を差し伸べ、私をエスコートしてくれる。
初めての遊園地。初めてのデート。初めての恋……。
全部全部しっかり楽しんで、心に焼き付けよう。いつか思い出したときに、後悔が残らないように。礼央さんを好きになってよかったって思えるように。
私はそう心に決めて礼央さんの手を取り、色とりどりの光に彩られた夜の遊園地へと足を踏み入れた。
*
外から見ただけでもきれいだったけれど、園内はそれ以上に多くのイルミネーションが散りばめられ、夜とは思えないほど明るかった。
あちこちに置かれたクリスマスツリーはもちろん、広い通りに連なる豪華な光のゲート、七色の電球で虹を表現したようなイルミネーション。
すべてが美しく幻想的で、まるで宝石箱の中に迷い込んでしまったみたい。