エリート外科医といいなり婚前同居
あまり追及されずに済んだことにホッとして、彼に手を引かれるまま歩き始める。
しかしそのうち彼の目的であろうアトラクションが視界に入ってくると、私はまさかと慌てだした。
「あ、あのっ。礼央さんが乗りたいのって、もしかして……」
「観覧車。ここのイルミネーション、上からも見たいと思わないか?」
や、やっぱり……! どうしよう! あんなカップル専用みたいなアトラクションに礼央さんと乗るなんて……!
入園前はせっかくの遊園地デートを目いっぱい楽しもうと覚悟したにもかかわらず、いざ彼と接近しそうな状況が訪れると、心拍数があり得ないくらいに跳ね上がって逃げ出したくなってしまう。
しかし、礼央さんに嫌われたらと思うと拒む勇気もなくて、私はとてつもないドキドキと緊張に包まれながらも黙ってついていくしかなかった。