エリート外科医といいなり婚前同居
「れお……さん……」
理由のわからないキスに抵抗の意思を示したいのに、彼の名を呼ぶ自分の声は、恥ずかしいくらいに甘い声。
「やめて」と言う言葉も、彼の舌に絡めとられて熱い吐息に変わってしまう。
でも、このキスがさっきの思わせぶりな言葉の続きを意味するのだとしたら……私、今度ばかりは自惚れていいの? あなたの特別になれた、って。
いいんだよねきっと。じゃなきゃ、こんなに甘く蕩けるようなキス、普通はしないよ。
……届いたんだ、私の想いが。クリスマスに、奇跡が起きたんだ。
そう噛みしめた途端、感極まってぶわっと目に涙が浮かび、瞬きしただけでぽろぽろと零れ落ちた。
その濡れた感触と口に入り込んだ塩味に気づいたのか、礼央さんが唇を離し私を見つめる。
「千波?」
「ご、ごめんなさい……なんか、うれしくて、泣けちゃって」