エリート外科医といいなり婚前同居
優しい瞳と目が合うと、つい泣きたくなってしまい、顔を隠すように彼の胸に自分の顔を押し付けた。
彼は私の背中に腕を回し、安心させるようにぎゅっと抱きしめる。それから、今までで一番甘いハスキーボイスが耳元で囁いた。
「好きだよ」
ずっとずっと欲しかったその言葉に、胸が熱くなる。思わず浮かんだ涙で、視界が揺らめいた。
「私もです……礼央さんが、大好き」
「千波……」
涙ながらの告白に応えるように、礼央さんが少しだけ体を離して優しく唇を奪う。
触れるだけのキスだけれど、長い間重ねられた唇から、彼の確かな愛情が伝わってくる。
できることならずっとこうしていたい……。私は勝手にそんな気持ちに浸っていたけれど。
「やっぱりまだ体熱いな……ベッド、戻ろう」
「え、でも……」
もう少し礼央さんに抱きしめられていたかったのにな……。
不満が顔に出ていたのか、彼は穏やかな笑みでこう言った。
「俺もずっとそばにいるから、安心して」
「……ありがとうございます」
嬉しいな……。専属のお医者様がそばにいてくれるなんて、これ以上の安心はないもの。