エリート外科医といいなり婚前同居
「……覚えていたんですね。すみません、私、生意気で」
「いや、あの時はもう可愛くて仕方なかったよ。……でも、今はもっと可愛いし、愛おしい存在になった。だから、これから一生をかけて愛させてほしいんだ。千波が隣にいない人生は考えらえない」
「礼央さん……」
愛情深い言葉の数々に、乾きかけていた涙が再び瞳を濡らす。
……ねえ、小さかったあの日の私。あなたの純粋な想いが、今実を結ぼうとしているよ。
ひとりぼっちで寂しかったあなたを救い、離れていてもずっとずっと見守ってくれていた優しいこの人が、約束を叶えてようとしてくれてる。
あなたは世界一の、幸せ者だよ――。
「私も……礼央さんを愛したい。あなたの隣でずっと、人生を歩みたい」
震える声でそこまで伝えてから、私は一度大きく息を吸って、過去の自分と同じ言葉を使って、彼にプロポーズの返事をする。
「私を、およめさんにしてください」
礼央さんはそれに応えるように優しい微笑みを浮かべてぎゅっと私を抱き寄せる。
それから耳元でそっと「喜んで」とささやいた。