エリート外科医といいなり婚前同居
そこで言葉を切った彼に、後ろからふわりと抱きしめられた。ドキッと胸が鳴り、全身がじわじわと熱を持つ。
ベッドの中で密着しているという状況だけでもたまらなく恥ずかしいのに、礼央さんは私の耳に唇をくっつけて、妖艶なかすれ声で囁く。
「……俺が欲情するのは、千波だけだよ」
甘く誘惑するようなそのセリフに体の芯が疼くような感覚がして、私はうろたえた。
なにこれ……お腹の奥がジンジンして、切ないようなもどかしいような、初めての感覚。
もしかして私、礼央さんに欲情してるの? だとしたら、これはどうやって収めるの?
どうしよう、教えて雅子~!
背後の礼央さんにドキドキしつつ心の中で友人に救いを求めていると、そのうち耳元で規則的な寝息が聞こえてきた。
あ、寝ちゃったんだ礼央さん……。彼が寝ているなら、もうこの体勢じゃなくてもいいかな?
緩んだ彼の腕の中で体を反転させ、今度は思う存分礼央さんの顔を見つめる。