エリート外科医といいなり婚前同居
やっぱりカッコいいな……。少しうねった黒髪も似合ってるし、鼻筋は二次元男子のようにまっすぐだし、睫毛もどれだけ長いの……。
そうして見つめ続けているうちに、収まりかけていたさっきの疼きが再びくすぶり始め、私はつい我慢できずに彼の唇に口づけた。礼央さんは熟睡しているらしく、微動だにしない。
人形にキスしているみたいなその状況に、なんだか物足りなさを覚えてしまう。
「もっとキスしたいです、礼央さん……」
思わず寝ている彼にそう話しかけ、当然のように無反応な彼を見て、ようやく私は諦める。
「……おやすみなさい」
ひとりごとのようにそう言って目を閉じたけれど、なかなか寝付けそうになかった。
体もまだ熱いし、なんだか今夜は変な気分。
朝になって目を覚ました礼央さんに、早く会いたいな――。
*
昨夜はそんなふうにのぼせ上がっていた私だったけど、朝になるとすっかり落ち着いていて、いつも通りに家事をこなした。
少し遅めに起きてきた礼央さんにお餅を焼いてもらい、関東風のお雑煮をを作ってブランチ代わりに食べ、少しだけお正月らしい雰囲気を味わった。
それからおせちの仕上げをして、礼央さんの運転する車で実家に向かうことに。