エリート外科医といいなり婚前同居

もしかして、今さら気づいて恥ずかしがってるの……?

ということは、このエプロン選ぶのに相当集中していたのかな……。暁さんって、仕事をしている時も周りが見えなくなるタイプだし。

私は、店内で真面目な顔をして女性用エプロンを物色する暁さんの姿を脳裏に浮かべ、思わずふっと笑いをこぼしてしまった。

それを見逃さなかった暁さんは、一歩私に歩み寄ってじろりと睨んできた。

「笑ったな?」

不満げにそう言うと、突然私を腕の中に閉じ込めた。

ど、どうしてまたこの人は急に接近してくるの――!?

内心あたふたしつつも、どうしたらいいかわからず身動きを取れない。

暁さんは、腕の中でかちんこちんに固まる私にそっと囁く。

「しょうがないだろ。きみにどんなエプロンが似合うかなってことで、頭がいっぱいだったんだから」

耳元で愛しげに掠れたその声に、胸がぎゅっと締め付けられるような痛みを覚えた。



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