エリート外科医といいなり婚前同居

震える声でそう告白すると、暁……いや、礼央さんは「そっか」と呟く。

それから私の耳の脇に手を差し入れたかと思うと、後頭部を固定するように包み込んで。

「……じゃあ、たくさん練習しないとね?」

囁くように言うと、再び私の唇を彼のそれでふさいだ。

「待っ……ンッ……」

待って、という間もないほど一瞬で唇を奪われ、優しく啄まれる。そのたびに弾けるリップ音が恥ずかしくて、耳をふさぎたくなった。

これも、〝練習〟の一環なの……?

そう尋ねてみたいけれど、唇は彼のなすがままに柔らかく蕩け、言葉を紡ぐことを放棄していた。

代わりにそこから押し出されるのは、湿った熱い吐息。それを絡めとるように、礼央さんの舌が唇の隙間から割り入った。蜜のように甘い唾液が、とろりと私の舌に広がる。

初めての大人のキスに文字通り骨抜きにされてしまった私は、力をなくした体をソファに横たえられ、礼央さんはその上に覆いかぶさりながら、濃厚なキスを再開した。



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