雨宮社長の専属秘書は気苦労が絶えません

雨宮瑛士 32歳

AMAMIYA FOODS前社長・直系の孫として生まれる。
都内の有名私立小・中・高を出たあと、アメリカの大学・大学院へと進み、経営学を学ぶ。
卒業したあとは、アメリカの支社で7年間働き、1年前に帰国。
半年間の準備期間を経て、AMAMIYA FOODSの社長に就任。
これまで経営方針を一掃し、海外へ視野を広げグローバルな働きで見事なV字回復を見せている。


陽和「――って、まるで絵に描いたような経歴なんですけど。しかも、無駄にイケメン……」

背も高いし、スーツも似合っているし。

声も割とタイプ。

あの冷たい瞳さえなければ、結構すきかも……。

――ピンポーン

インターフォンを押す、陽和。
しかし、しばらく待ってみても反応がないため、榊から預かっていた鍵を使って玄関のドアを開ける。

内装も外装同様にゴージャズな部屋。

陽和「おじゃまします……」

靴を脱いで、リビングはどこだろうとキョロキョロする。

陽和「おはようございまーす、花里です」

声を掛けたみたけど、やっぱり反応がないので適当にドアを開けて雨宮を探し始めたところ。

キッチン台からはみ出た足を見て、絶叫する。

陽和「ギャー!!」

あ、ああああ足が!!

プチパニックになりながらも確認しようと足に近づく陽和。
すると、足が動き、またも叫ぶ。

足「……な、ん」

足がしゃべった!?
そんなわけないかと、さらに勇気を出してキッチン台の向こうを覗くと、雨宮が倒れていた。
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