雨宮社長の専属秘書は気苦労が絶えません
マスター「まぁ、考え過ぎじゃない?匠くんに限って変なことは無いでしょう」
陽和「そうなんだけど、あの子はうちに秘めるタイプだから悩みとか打ち明けてくれなくて心配なんだー」
そこで、同じカウンター席にいた中井(常連さん)が、クスリと笑う。
中井「陽和ちゃんの方が悩みだらけに見えるけどね」
陽和「私?」
マスター「そうそう。新しい仕事はどうなの?」
陽和「楽しいよ。楽しいけど……」
今日のことを思い出す。
同じ秘書でありながら、戦力外の自分。
マスター「まぁ、まだ入ったばかりだし、少しずつ自分の出来ることを探していけばいいんじゃない」
陽和「うん…」
マスター「うちも新しい子を雇ったしね」
陽和「え!そうなの?」
マスター「もうそろそろ来る予定なんだけど」
ちょうどその時、店のドアか開き入ってきた人物を見て陽和は目を丸くした。
和奏「こんばんはー!」
陽和「和奏!?」
マスター「紹介するよ、新しいバイトの和奏ちゃん」
陽和「どうして和奏が」
和奏「私が頼んだの!いいでしょ?お姉ちゃん」
陽和「いいも何も……マスターか良いなら私はいいけど」
マスター「うちはJK大歓迎(超笑顔)」
中井「初々しくていいねよねぇ、若い子は(超笑顔)」
陽和「ちょっと何なの!2人とも!」
〇雨宮のマンション(朝)
いつものように雨宮のマンションへ出勤した陽和。
相変わらずインターフォンを押しても反応がないので、合鍵で部屋に入り、どこかで倒れて(寝てる)雨宮の姿を探そうと腕まくりをする。
しかし、雨宮は寝ておらずリビングでパソコンを操作していた。