君と再会できた奇跡
「あ、あのね…」
全部話した。
告白されたかも知れないこと。
あいちゃんって呼ばれてたこと。
「……あいちゃんって呼んだな」
やっぱり、そうだったんだ。
光は泣きそうな顔をしてる。
「俺、あの時のことあまり覚えてないけど…」
光はギュッと私を抱きしめる。
「ひかる…」
「あ、告白の内容思い出したかも?」
「えっ!」
何だろ…
『あいちゃん』
『ひかるっ、引っ越すの?』
『大丈夫、近いから』
『でも、やだよぉ…』
『離れたくない、よね…。僕も同じ』
『ひかるも…?』
『そうだよ』
『それって…?』
『…いつか戻ってくるから。その時にはまた、言うかも。同じ事』
『おんなじ、こと?』
『…好き。好きだよ。ずっとそばに居たかった。また、会える日が来たら…付き合おうね』
『あ、あたしも大好きだよ…。また、会えるよねっ?』
『会えるよ。きっと…』
それで、キスしたらしい。
「あー、そうだったね」
「約束してたもんな」
ふたりで、笑った。
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