キャラメル・ミント

「なぁ、湊。俺が悪いのか?今のは、俺が悪いのか?」


「まぁ、デリカシーが無いよね」


「ふん。湊は、わたしの味方だもん。ねー?」


「、っ」



完全に酔っ払っている夏希さんは、お酒で赤くなった顔で俺に笑いかけた。


さっきの車の中でもそうだ。この人は、無意識に人の事を煽る。本人に自覚が無いから厄介だ。




「もうずっとこの家に居ようかな〜〜」


「マジで勘弁して。彼女連れて来れないんだよ」


「あれ、和真、彼女いたの?」


「もう、1年くらい付き合ってる彼女がいるんだよ」




「初耳」なんて言いながら、笑っている夏希さんに、和真は溜息をついた。



「まぁ、でも、彼女さんに悪いね。そろそろ家探そうかな〜〜」


「いや、探してなかったのかよ!?」


「なんだかんだ居心地よくて、いいかなーって」


「全然よくないからな!」



この姉弟の会話は、毎回漫才を聞いているかのようだ。



夏希さんと出会った日もそうだった。
< 15 / 61 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop