キャラメル・ミント
「なぁ、湊。俺が悪いのか?今のは、俺が悪いのか?」
「まぁ、デリカシーが無いよね」
「ふん。湊は、わたしの味方だもん。ねー?」
「、っ」
完全に酔っ払っている夏希さんは、お酒で赤くなった顔で俺に笑いかけた。
さっきの車の中でもそうだ。この人は、無意識に人の事を煽る。本人に自覚が無いから厄介だ。
「もうずっとこの家に居ようかな〜〜」
「マジで勘弁して。彼女連れて来れないんだよ」
「あれ、和真、彼女いたの?」
「もう、1年くらい付き合ってる彼女がいるんだよ」
「初耳」なんて言いながら、笑っている夏希さんに、和真は溜息をついた。
「まぁ、でも、彼女さんに悪いね。そろそろ家探そうかな〜〜」
「いや、探してなかったのかよ!?」
「なんだかんだ居心地よくて、いいかなーって」
「全然よくないからな!」
この姉弟の会話は、毎回漫才を聞いているかのようだ。
夏希さんと出会った日もそうだった。